下肢静脈瘤の治療法である硬化療法について

下肢静脈瘤の治療法として積極的に採用されているのが硬化療法です。この治療は注射を1本打つだけで済みますので、手術による傷跡が全く残りません。つまり患者の体にかかる負担を極力低く抑えることができる治療法だと言うことができます。しかし、その一方で、静脈の枝が細くて症状が軽めの下肢静脈瘤の治療の場合にしか有効とは言えないというデメリットも存在します。また、硬化療法の施術後には、瘤内血栓と呼ばれる静脈内の血栓や色素沈着などの合併症が発生してしまうケースが多いので、それらの点をよく理解した上で治療を受けるようにすることをおすすめします。 もともとは、今から170年程前に開発された治療法であると言われています。しかし、初期の頃は、強い副作用が現れることが多かったのと、重い静脈瘤の治療効果がほとんど期待することができないなどの理由から、下肢静脈瘤の治療法としてあまり積極的には用いられていませんでした。その後、風向きが変わって有効な治療法の一種として注目され始めたのは1950年から1960年にかけてのことです。なぜ、急に有効な治療法として脚光を浴びるようになったのかと言うと、硬化療法の施術を行った後の圧迫療法の有用性が指摘されるようになったことが大きな理由となっていました。

 また、ちょうどその頃から副作用が少なくて安全性の高い硬化剤がドンドン開発されるようになったことも関係しています。現在使用されている硬化剤には、大きく分けて3種類の硬化剤が存在します。洗浄性硬化剤、浸透性硬化剤、科学的硬化剤の3種類なのですが、日本国内の医療機関で主に使用されているのは、洗浄性硬化剤です。洗浄性硬化剤は、もともと局所麻酔剤として開発された薬剤であるために、静脈に薬剤を注入する際にほとんど痛みを感じないというメリットがあります。安全性が高くて治療効果も期待でき、なおかつ痛みや副作用の少ない硬化剤の研究が地道に続けられています。 一方、硬化療法の治療法それ自体も進化を続けています。最近世界的に注目を集めているのはフォーム硬化療法と呼ばれる治療法です。これは、硬化剤に空気や二酸化炭素を混ぜ込んでから静脈に注入するという方法です。硬化剤に気体を混ぜることによって、硬化剤の使用量を減らすことができるので、それだけ合併症や副作用が起こる確率を低減することが可能になると考えられています。 下肢静脈瘤の治療法研究は今も続けられていますので、これからもっと良い治療法が出てくる可能性はあります。しかし、医療機関での治療だけに頼ることなく、日頃から足の清潔を保つようにして、自分でできる対策は行っておくようにすることが大切です。